特技が欲しくて似顔絵教室に通いだした男
似顔絵教室に通い始めました。
絵を描くのはもともと好きで、少年時代はよく『ガッシュ』の絵を模写してた。
図工の授業では賞を獲って、どこかの美術館に飾られたりしたこともあった。
高校生の頃は美術の授業を選択して受けていたが、大学生になってからはそんな機会もなくなってしまったので、ノートに落書きする程度。
社会人になってからは趣味でLINEスタンプを作成したりした。
そんな感じで、なんやかんや絵は一応描き続けてきた私ですが、人の顔を描くのが苦手なんですよね。なかなか似なくって。
「特徴を大げさに描けば似る」だの「パーツの配置が大切」だの、言うてることは理解できるが、それがうまく白紙に表現できるかというと、そうではないのよ。
たまーに思い付きで練習するも、あまりの出来のひどさに恥ずかしくなって、すぐにくしゃくしゃのポイ。これじゃあ上達もしない。
絵を描くことに抵抗はない。それどころか楽しくて好きなので、技術を磨いて”特技”と呼べるものにしたいなあと。
人前で即興で描くなら似顔絵がわかりやすくていいだろうと。
そんなわけで、似顔絵教室に通うことにしました。
場所はね、自宅からは少し不便なところにあるんですけれど、1回1,000円都度払いという気軽さが魅力的でしたね。
こういう〇〇教室って、大人になってから通うのは初めてだからどんなものかと緊張してました。ねずみ講だったらどうしようとか不安に感じてた。
実際行ってみると、会場は市営の多目的施設だったので、その時点でいくらか安心できた。もっと早くに会場について調べてりゃよかったのにね。なんなら、昔友達が通ってた専門学校の卒業公演会場だったわ。スピッツの『楓』がテーマソングの素敵な舞台。
〇〇教室ってだけの勝手なイメージで、ドラマで見る予備校みたいなのを想像してた。
学校みたいな教室に20人くらい受講者がいる、みたいな。
実際は、ちょい長机を2つくっつけた、定員4人のちっせえブースでした。
コロナが流行している影響らしい。いくつかのブースに受講者をわけてるんですって。
私が通されたブースには、すでに女性が一人座ってた。この人も初回らしい。
と、いうわけで、想像の1/10スケールで始まった似顔絵教室第一回。とても楽しかったです。
1回90分なんですけれど、今回はざっと『イントロダクション30分、実技30分、美術史の紹介30分』という構成。
イントロダクションでは『似顔絵とは?』『画材の紹介』といった基本的なことを簡単に教わり、実技では鉛筆に慣れるため、写真を見ながらさっそく人の顔を描いた。といっても、写真の女の子がうっすら印刷された紙をなぞるという形式だったが。それでも、集中して絵を描くのが久しぶりなもんで、とても楽しかった。陰影のつけ方もおいおい教えてくれるって。嬉しい。
最後の30分では古代オリエントの美術とやらについての話を聞いた。
歴史の授業っぽくてはじめは眉間にしわを寄せていたが、エジプトの絵画の特徴についての解説を聞いてとても感心した。あの”エジプトらしい絵”にはそんなルールがあったのね、と膝を打った。
先生が解説中に『ファラオ』とか『裁きの天秤』みたいなことを言うのでどうしても遊戯王を連想せずにはいられなかった。
そんなこんなであっという間の90分。
次回からは、本格的に似顔絵を教えてもらえるそう。また新たな楽しみができた。
ビフォアコロナでは、希望者が集まって美術館巡りなんかもしてたらしい。私も参加したい。再開されるのを心待ちにしたい。